比例ソレノイド
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コイルに流れる電流の大きさにより、可動鉄芯の位置を任意に制御(コントロールストローク)可能なソレノイドです。
バルブの開閉度を調整した段階的な油圧制御を行いたい場合に用いられます。
当社の比例ソレノイドはすべてカスタム対応製品となります。
お客様のご利用製品やご要望の仕様に合わせて設計・製造いたします
ディザを駆使した可動鉄芯の精密制御
通常のソレノイドは、電流の上昇時と下降時に吸引力の差(ヒステリシス)が生じるため、可動鉄芯の位置を任意に制御することが困難になります。
対する比例ソレノイドは、電流に一定周期の変動(ディザ)を加えることによってヒステリシスを低減。可動鉄芯の精密な位置制御を実現しています。
要求仕様、動作環境に応じたカスタマイズ設計
吸引力設計
ソレノイドの吸引力は、コイルに発生させる磁界の強さで決まり、以下の式によって求められます。
起磁力=電流(A) ✕ 銅線の巻数(T)
油圧ソレノイドを使用する機器の動作環境、必要な吸引力に合わせて無駄のない最適な吸引力設計を行います。
磁界の効率性
コイルに発生させた磁界を効率よく利用するには、ソレノイドの構造設計が重要になります。以下のような要素を考慮、設計することで磁気損失を防ぎます。
- 磁気回路の設定
- エアーキャップの設定
- 磁気飽和対策 など
また、透過率の高い材料を採用する、磁気焼鈍による加工応力の除去など、製造時にも磁界の効率性に配慮しています。
可動鉄芯に合わせた吸引力のコントロール
吸引力は可動鉄芯(プランジャ)の形状によって変化します。
使用する可動鉄芯に合わせた設計を行うことで吸引力カーブをコントロールします。
磁界解析ソフトによる構造シミュレーション
カスタマイズ設計したソレノイドは、磁界解析ソフトを用いたシミュレーションによって設計の妥当性を検証します。
シミュレーションと実測値の比較によって設計精度を上げ、安定動作する油圧ソレノイドを設計します。
動作環境を考慮した設計
油圧ソレノイドには、温度上昇による特性変化など、油圧機器の動作環境によって様々な注意点があります。
カスタマイズ専門メーカーとして、これまで様々な油圧ソレノイドを設計してきたノウハウを活かし、お客様製品の動作環境から必要となる対策を検討、実施します。
油圧ソレノイド使用上の注意点
- 温度上昇による吸引力の低下
- 残留吸着力による可動鉄芯の動作不備
- 逆起電圧による故障、誤作動
- 磁気ショートによる動作不良 など